テキスト版 KY 231129 坂本康博判決書 小池百合子訴訟 要録偽造
東京地裁令和5年(ワ)第97号
虚偽有印公文書作成・同文書行使の違法行為を原因とする慰謝料請求事件
坂本康博裁判官 高木俊明裁判官 織田みのり裁判官 ( 關隆太郎裁判官 )
Ⓢ 画像版 KY 231129 坂本康博判決書 小池百合子訴訟
https://ameblo.jp/bml4557/entry-12831396981.html
Ⓢ 画像版 KY 231129 別紙の坂本康博判決書 小池百合子訴訟
https://ameblo.jp/bml4557/entry-12831426067.html
別紙とはKY葛岡裕訴訟における「 乙11号証=中根氏指導要録(写し) 」という文書を指す。
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Ⓢ KY 230317 被告証拠説明書 關隆太郎裁判官 小池百合子訴訟
https://plaza.rakuten.co.jp/marius/diary/202303290004/
Ⓢ KY 230415 書証否認等理由書 關隆太郎裁判官 小池百合子訴訟
https://marius.hatenablog.com/entry/2023/04/15/084020
Ⓢ KY 230804日付け 被告証拠説明書(3)乙11・乙12
https://plaza.rakuten.co.jp/marius/diary/202308020001/
Ⓢ 小池百合子訴訟乙1 乙2 乙3 乙6 乙7 乙8 乙9 乙11 乙12
甲1 甲2
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テキスト版
https://plaza.rakuten.co.jp/marius/diary/202312060001/
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https://marius.hatenablog.com/entry/2023/12/06/045931
https://ameblo.jp/bml4557/entry-12831428030.html
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令和5年11月29日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官石川一也
令和5年(ワ)第97号 虚偽有印公文書作成・同文書行使の違法行為を原因とする慰謝料請求事件
口頭弁論終結日 令和5年11月1日
判決
埼玉県越谷市大間野町○―○―○
原告 上原マリウス
東京都新宿区西新宿2丁目8番1号
被告 東京都
同代表者知事 小池百合子
同代理人 加登谷毅
同 山口尊
主文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
被告は原告に対し、40万円払え。
第2 事案の概要等
1 事案の概要
本件は、原告が、過去に被告に対して提起した訴訟において、被告により偽造された文書(都立墨田特別支援学校における特定の生徒の指導要録の写し)が書証として提出され、敗訴したことによって精神的苦痛を受けたとして、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料として40万円の支払いを求める事案である。
2 前提事実( 当事者間に争いがない事実(擬制自白事実)並びに各項末尾掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 )
□ KY231129坂本康博判決書 小池百合子訴訟<2p>1行目から
2(1) 前件訴訟の第1審の経過
原告は、平成26年、被告が設置管理する東京都立葛飾特別支援学校高等部に教諭として勤務していた際、担任をしていた特定の生徒(以下「本件生徒」という。)の指導に関して、同校の管理職員(葛岡裕学校長。中村良一副校長)が、①本件生徒の一人通学指導について原告の負担を考慮した体制整備を怠ったこと、②本件生徒の母親から原告の指導に関して多数の要求がされたことに対して原告の職場環境への配慮を怠ったことにより、抑うつ状態となり通常の業務に戻ることができないまま定年退職に至ったと主張して、被告に対し、国家賠償法1条1項又は債務不履行(安全配慮義務違反)に基づき、原告に生じた精神的苦痛に対する慰謝料200万円等の支払いを求め、東京地方裁判所に訴えを提起した( 同庁平成26年(ワ)第24336号国家賠償法請求事件。以下、「前件訴訟」という。 )。
被告は、前件訴訟の第一審において、本件生徒(中根氏)東京都立墨田特別支援学校( 本件生徒が東京都立葛飾特別支援学校高等部に入学する前に在籍していた学校。以下「本件学校」という。 )の中学部における平成21年度( 平成21年4月から平成22年3月まで。以下同じ。 )及び平成22年度( 平成22年4月から平成23年3月まで。以下同じ。 )の指導要録の写し( 前件訴訟の乙11の1。本件の甲1,以下「本件文書1」という。)
並びに平成23年度( 平成23年4月から平成24年3月まで。以下同じ。 )の指導要録の写し(前件訴訟の乙11の2。本件の甲2。以下「本件文書2」といい、本件文書1と併せて「本件各文書」という。)を書証として提出した。
これに対し、原告は、本件各文書は被告により偽造されたものであると主張した。
東京地方裁判所(鈴木雅久裁判官等)は、平成28年12月16日、前件訴訟について、本件各文書が真正に成立したものであると認定した上で、原告の請求を棄却する判決を言い渡した。
( 乙1、弁論の全趣旨 )
□ KY231129坂本康博判決書 小池百合子訴訟<2p>27行目から
2(2) 前件訴訟の第一審判決後の経過
原告は、前件訴訟第一審の判決を不服として控訴したが、東京高等裁判所(鈴木雅久裁判官)は、平成29年6月22日、原告の控訴を棄却する判決を言い渡した。
同判決においても、本件各文書は真正に成立したものであると認定された(乙2)
原告は、同判決を不服として上告及び受理の申立てをしたが、最高裁番所は、平成30年2月6日、上告棄却及び上告不受理の決定をし、これにより、前件訴訟に係る原告の請求を棄却した前記(1)の判決が確定した(乙3)。
2(3) 本件訴えの提起
原告は、令和5年1月6日、本件各文書は被告により偽造されたものであると主張して、本件訴えを提起した( 顕著な事実 )。
2(4) 消滅時効援用の意思表示
被告は、令和5年3月17日の本件第1回口頭弁論期日において、原告に対し、本件の慰謝料請求権について消滅時効を援用する旨の意思表示をした( 顕著な事実 )。
□ KY231129坂本康博判決書 小池百合子訴訟<3p>14行目から
3 争点及び争点に関する当事者の主張
3(1) 被告は本件各文書を偽造したか( 争点(1) )
【原告の主張】
本件学校の中学部においては、指導要録は生徒の在籍期間である3年間を通じて同一のものが継続して使用されており、被告の教育委員会が定めた指導要録の取扱い( 乙7、乙11)においても同様とされていた。
しかるに、被告が前件訴訟で書証として提出した本件各文書は、「 平成21年度及び平成平成22年度 」と平成23年度とで別個の文書となっており、本件学校の中学部における上記取り扱いと矛盾する。
また、本件文書2は、その記載内容によれば平成23年度の指導要録であるにもかかわらず、本件学校の中学部において平成24年度( 平成24年4月から平成25年3月まで。以下同じ。 )から導入される様式を用いた体裁になっており、かつ、同様式( H24指導要領の改定に対応した指導要録 )による指導要録は電子データとして作成・保存され、紙媒体での作成・保存は行わないこととされているのであるから、この点でも指導要録の様式に関する取扱いと矛盾する。
以上の点に照らすと、本件各文書は本件生徒(中根氏)のしどうようろくではなく、被告により偽造されたものであることは明らかである。
□ KY231129坂本康博判決書 小池百合子訴訟<4p>4行目から
【被告の主張】
本件各文書は、本件生徒(中根氏)の指導要録を複写したものであり、被告がそれらを偽造したとの事実はない。
都立の特別支援学校においては、小学部では、中学部に先立って平成23年4月から新たな様式による指導要録の作成が本格実施されることとなっていたことから、同月18日付けで、各都立特別支援学校長宛てに同様式のひな形を含む取扱い要領( 平成23年3月日付けの乙7・乙11 )が送付されていた。
https://plaza.rakuten.co.jp/marius/diary/202303290001/
そのため、小学部と中学部との双方が設置されている本件学校(都立墨田特別支援学校)において、小学部における本格実施に合わせて、中学部においても平成23年4月から同様式( H24指導要領の改訂に対応した新様式 )によって指導要録が作成されたとしても、何ら不自然ではない。
また、同様式( H24指導要領の改訂に対応した新様式 )の導入は指導要録の電子化自体を目的とするものではなく、指導要録の電子化は平成24年度から平成26年度にかけて( 学習指導要領の改訂に伴う移行措置期間 )実現するものとされていたため、平成23年度の指導要録が同様式( H24指導要領の改訂に対応した新様式 )により紙媒体で作成・保管されていたとしても、何ら不自然ではない。
□ KY231129坂本康博判決書 小池百合子訴訟<4p>17行目から
3(2) 慰謝料の額( 争点(2) )
【原告の主張】
本件各文書は、いずれも前件訴訟( 葛岡裕訴訟 )において重要な証拠であった。
被告がそのような本件各文書を偽造して書証として提出したことから、原告は前件訴訟で敗訴した。
このような被告の行為により原告は多大な精神的苦痛を受け、これを慰謝するに足る金額は、40万円を下回らない。
【被告の主張】
争う。
□ KY231129坂本康博判決書 小池百合子訴訟<4p>25行目から
3(3) 消滅時効の正否( 争点(3) )
【被告の主張】
原告は前件訴訟の第一審で本件各文書が偽造されたものである旨主張しており、これを排斥して原告の請求を棄却した前件訴訟の第一審判決(乙1=鈴木雅久判決書 )は、平成30年2月6日に最高裁判所の上告棄却及び上告不受理の決定( 乙3=KY H300206岡部喜代子調書決定 )により確定した。
このような事実経過によれば、原告は、遅くとも同日(=H300206 )には損害の発生及び加害者を知ったというべきである。
したがって、本件の慰謝料請求権は、同日から3年を経過した時点で時効により消滅した。
【原告の主張】
争う。
□ KY231129坂本康博判決書 小池百合子訴訟<5p>10行目から
第3 当裁判所の判断
1 認定事実
前記前提事実、掲記の各証拠及び弁論の全趣旨によれば、次の事実を認めることができる。
( なお、弁論の全趣旨によれば、乙7~乙9は真正に成立したものと認められる。 )。
1(1) 本件生徒の本件学校への在籍経過
本件生徒(中根氏)は、本件小学部を卒業後、平成21年4月に本件学校(=墨田特別支援学校 )の中学部に入学し、平成24年3月まで在籍した( 乙1【6頁】、弁論の全趣旨 )。
1(2) 都立特別支援学校における指導要録の様式及びその取扱い
ア 指導要録の様式改定(平成24年4月)と暫定新様式の導入
被告(東京都)の教育長指導部は、平成21年3月16日付けで、各都立特別支援学校長宛てに、都立特別支援学校において使用する指導要録の様式を一部改訂する旨の通知を発出した。
各都立特別支援学校においては、同年度(平成21度)入学者の指導要録については暫定版の新様式( =旧様式に一部新様式を取り入れた様式=以下「暫定版新様式」という。 )が使用され、その後の本格実施( =平成24年実施 )に際し、新たに様式及び取扱いが示されることとなった( 乙6、弁論の全趣旨)。
□ KY231129坂本康博判決書 小池百合子訴訟<5p>26行目から
イ 指導要録の新様式とその取扱い
被告(東京都)の教育庁指導部は、平成23年3月18日付けで、書く特別支援学校長宛てに、前記アのとおり本格実施に際して示されることとなっていた指導要録の新たな様式( 以下「 H24新様式 」という。 )及びその取扱いに係る要領( 「 東京都立特別支援学校 小学部・中学部 児童・生徒指導要録の様式及び取扱い 」と題するもの。以下「 本件要領 」という・ )を送付した。
=> 要領とは、文科省が作成する「 学習指導要領 」のことを指す。
東京都が作成する「 指導要録の様式及び取扱い 」のことは「 手引き 」という。
手引きのことは、要領とは言わない。
Ⓢ 指導要録の様式は、各教育委員会が定める。
指導要録は、学校教育法施行令第三十一条及び学校教育法施行規則第二十四条、第二十八条に規定されている学校に備えておかねばならない表簿です。
公立学校の指導要録の様式は、教育委員会によって定められ、その様式が少しずつ異なっています。
そのため、各教育委員会の示す様式や記載方法に則って作成する必要があります。
本件要領の送付部数は、小学部用に10部、中学部用に10部、学校保管用に5部であった。( 乙7、乙8、乙11,弁論の全趣旨 )
Ⓢ KY 230317 被告書証 乙7号証 關隆太郎裁判官 小池百合子訴訟
https://ameblo.jp/bml4557/entry-12795920569.html
本件要領( H24.3要録の手引き)においては、都立特別支援学校の小学部は平成23年度から、中学部は平成24年度から、新様式(H24新様式)による指導要録の作成を実施することとし、既に在学している児童 又は生徒の指導要録については、従前の指導に記載された事項を新様式に転記する必要はなく、「学籍に関する記録」は従前のものを引き続き使用して保存するのに対し、「指導に関する記録」は、前年度までのもの(紙媒体)はそのまま保存し、新年度(H24年度)新様式( H24新様式・H24電子化指導要録 )については、新様式( H24新様式・H24電子化指導要録 )に記入し、新旧のもの( H24新様式・H24電子化指導要録 と旧様式・紙媒体と)を併せて保存することと定められている( 乙11【71頁】=H24.3要録の手引き【71頁】 )。
□ KY231129坂本康博判決書 小池百合子訴訟<6p>15行目から
ウ 指導要録の電子化についての取扱い
被告(東京都)の教育庁指導部長は、平成24年3月16日行けで。「 幼児・児童・生徒指導要録電子化の基準 」を決定し、全ての都立学校は。平成24年度から指導要録の電子化に着手し、平成26年度末までに全校での電子化を実現すること、平成24年度より、新たに作成する指導要録は、校内で意思決定の上、電子で作成し、紙媒体での保存は行わないこととした( 甲3の1,乙12 )。
□ KY231129坂本康博判決書 小池百合子訴訟<6p>25行目から
1(3) 本件各文書の記載内容等
被告が、前件訴訟(KY葛岡裕訴訟)において、本件学校(墨田特別支援学校)の中学部における本件生徒(中根氏)の平成21年度(1年次)及び平成22年度(2年次)の指導要録の写しとして提出した本件文書1は別紙1のとおりであり、本件23年度(3年次)の指導要録の写しとして提出した本件文書2は別紙2のとおりである。
https://ameblo.jp/bml4557/entry-12831426067.html
本件文書1は暫定版新様式( =旧様式をベースに一部新様式を先行実施した様式、新様式か旧様式かと区別すれば旧様式である。何故ならばH24新学習指導要領は、平成24年から実施であるから。 )、本件文書2は新様式(H24学習指導要領に対応したH24新様式 )をそれぞれ用いて作成されたものである。
( 甲1、甲2、乙11=H24.3要録の手引き、弁論の全趣旨 )
□ KY231129坂本康博判決書 小池百合子訴訟<7p>7行目から
2 争点(1)( 被告は本件各文書を偽造したかについて )
2(1) 原告は、被告(東京都)が、本件各文書を偽造したことを推認させる事情として、
①本件学校(墨田特別支援学校)の中学部における取扱い及び本件要領と異なり、本件各文書は「平成21年度及び平成22年度(=中根氏1年・2年) 」と「平成23年度(=中根氏3年) 」とで別個の文書となっていること、
②被告(東京都)が平成23年度の指導要録であると主張する本件文書2( KY葛岡裕訴訟乙11号証の2=中年氏3年 )が、本件学校(墨田特別支援学校)の中学部において平成24年度から導入されることとなっていた新様式で作成されていること、
③本件文書2は新様式で作成されているにもかかわらず、紙媒体でほぞんされていることを指摘する。
2(2)ア 前記認定事実(2)ア 及びイによれば本件要領においては、都立特別支援学校中学部における新様式(=電子化指導要録)による指導要録の作成は平成24年度から実施され、前年度から引き続き在学する生徒(=H22入学生徒、H23入学生徒)の平成24年度以降の指導要録については、指導要録のうち「学籍に関する記録」は、新様式を使用せず暫定版新様式(旧様式)を使用して作成された従前のもの(紙ベースのもの)に記入する方法で作成するのに対し、「指導に関する記録」は、暫定版新様式( 旧様式 )を使用して作成された平成23年度以前のものはそのまま保存し、平成24年度以降の記録は新様式( 電子化指導要録 )を使用して作成し、その両者を併せて保存することとされるものと認められる。
https://note.com/thk6481/n/n56e3160dca38
以上のような指導要録の取扱いを前提とすると、平成21年度から平成23年度まで本件学校(墨田特別支援学校)の中学部に在籍した本件生徒(中根氏)の指導要録は、暫定版新様式(=旧様式)を使用して1部のみ作成され保存されることになるものと考えられる。
もっとも、前記認定事実(3)によれば、本件各文書はそれぞれ別個独立の文書として合計2部存在し、本件文書1は平成21年度及び平成22年度の「学籍に関する記録」及び「 指導に関する記録 」を新様式に記入したものであると認められる。
そうすると、前記(1)①及び②の原告の指摘のとおり、都立特別支援学校中学部において導入される前の新様式(=H24新学習指導要領に対応した新様式・H24電子化指導要録 )を用いて作成されている点 及び「学籍に関する記録」が在学期間の3年間を通じて同一文書に記録されていない点において、本件各文書は都立特別支援学校における指導要録の様式及び取扱い(=H24.3要録の手引き)とは異なる方法・形式で作成されたものということができる。
□ KY231129坂本康博判決書 小池百合子訴訟<8p>10行目から
しかし、本件学校には、平成23年3月に合計25部の本件要領(=H24.3要録の手引き)が送付され( 前記認定事実(2)イ )、それに先立つ同年(平成23年)2月には新様式の電子データも送付されていることから( 前記認定事実(2)ウ )、平成23年度が始まる同年(平成23年)4月には、本件学校(墨田特別支援学校)の中学部において、新様式( H24電子化指導要録、H24新学習指導要領 )を用いて作成することは物理的に可能であったと認められる。
=>「物理的に可能だから、不適切事務処理をして良いということ」にはならない。
公文書は、事務処理が適正処理されたことを前提としている文書である。
形式的証拠力が具備していなければ、公文書とは言えない。
形式的証拠力が欠落していれば、(文書の成立)民訴法二二八条第2項所定の<< 真正に成立した公文書と推定する。 >>という推定規定は適用できない。
坂本康博判決書<8p>8行目からの判示では以下の通り。
<< 本件各文書(=中根氏指導要録(写し)。 )は都立特別支援学校における指導要録の様式及び取扱い(=H24.3要録の手引き)とは異なる方法・形式で作成されたものということができる。 >>である。
上記を要約すると、中根氏指導要録(写し)は、様式が異なることを事実認定した。
つまり、(文書の成立)民訴法二二八条第2項所定の真正成立公文書と推定することの規定は適用できないことを認めた事実。
また、前記認定事実(1)によれば、本件学校(墨田特別支援学校)には、小学部と中学部との双方が設置されているところ、小学部においては平成23年度から新様式( 紙ベースの要録、新学習指導要領 )の作成が本格実施されることから( 前記認定事実(2)イ )、これに合わせて中学部においても新様式(H24新学習指導要領、電子化指導要録 )による指導要録の作成が開始されたとしても、格別不自然とはいい難く、本件要領( H24.3要録の手引き )がそのような取り扱いを禁止しているとも解し難い。
=> 坂本康博判決書は、中根氏指導要録(原本)が。H24.3要録の手引きが規定する取扱いと「 異なる取り扱いをしても良いと認める。 」旨判示をしている。
認めた結果、「 H24.3要録の手引きが規定する様式 」と「中根氏指導要録(原本)の様式 」とが不一致の公文書が作成されることになった。
「 様式不一致の文書 」は、公文書とはいえず、証拠能力はない。
( H24.3要録の手引き )は、要録の取扱いについて、事務処理の適正処理を規定した指示書である。
指示内容と異なった処理を行えば、不適切処理であることを前提としている。
「指示内容と異なった処理を行って良い」とは記載されていないから、( H24.3要録の手引き )の指示と異なる取扱いは、不適切処理である。
指導要録の取扱いが、( H24.3要録の手引き )の取扱い事項と不一致が無いことを点検するために、教務部は、教務主幹・教務主任・教務部員・管理職が、春季休業期間を費やしている。
点検すれば気が付く、何故ならボリュームが2倍だ。
普通は、厚紙2枚で一人分、前件葛岡裕訴訟の乙11号証は厚紙4枚で一人分である。
綴じるときはクラスごとであり、クラス6名としても、12枚分の厚さがある。
学年だと、4クラスとすると、48枚分の厚さがある。
中根氏指導要録(原本)は、様式不一致の文書である。
また、教育委員会から、点検にも来る法定文書である。
様式不一致文書であることを誰も気づかず、放置されることはない。
□ KY231129坂本康博判決書 小池百合子訴訟<8p>20行目から
そうすると、本件各文書が、本件要領( H24.3要録の手引き )と異なり、暫定版新様式( 旧様式 )を用いて作成されたもの( KY葛岡裕訴訟乙11号証の1)と新様式( H24新学習指導要領に対応した指導要録、電子化指導要録 )を用いて作成されたもの( KY葛岡裕訴訟乙11号証の2 )とに分かれており( 前記(1)① )、平成23年度の指導要録とされる本件文書2が、中学部においては平成24年度から導入される予定の新様式(=H24新学習指導要録に対応した新様式 )により作成されているといった事情(前記(1)② )は、本件各文書が本件各文書が本件生徒(中根氏)の指導要録の写しではなく、被告(東京都)によって、偽造された文書であるとの事実を推認させるものではない。
Ⓢ KY 342丁から 葛岡裕訴訟 H270714日付け乙11号証の2 中学部中根氏指導要録(写し)(3学年分) H24新学習指導要録に対応した新様式を使用
https://plaza.rakuten.co.jp/marius/diary/202312090002/
何故、新様式を使用したと判断できるか。
電子化指導要録は平成24年から実施(H24電子化指導要録)、H24新学習指導要録の様式はH24電子化指導要録の様式である。
何故、電子化指導要録と言えるか。
紙ベースの指導要録には「表・裏」の表示があるが、電子化指導要録は表示がないからである。
2(2)イ また、前記認定事実(2)ウによれば、都立特別支援学校を含む都立学校にける指導要録の電子化は、平成24年度から開始され、平成26年度末までに現行で実現することが志向されていたのであるから、同年度末(平成26年度末)までは、新様式によって作成された指導要録の全てが電子化されているとは限らず、それらが紙媒体で作成され、保存されることも許容されていたものと認められる。
=> 事実認定の根拠が不明。
電子化指導要録の目的は、指導要録を東京都により一元管理することである。
各校、てんでんバラバラを認めると、一元管理できない。
H24指導要録電子化に伴う移行措置期間における指導要録の取扱いは、以下のスケジュールで行う。
使用媒体別
|
1年生・24年度入学 |
2年生・23年度入学 |
3年生・22年度入学 |
平成24年度 |
電子化 |
紙媒体 |
紙媒体 |
平成25年度 |
電子化 |
紙媒体 |
24年度卒業 |
平成26年度 |
電子化 |
25年度卒業 |
|
したがって、新様式で作成された本件文書2が紙媒体で作成され、保存されているとしても格別不自然・不合理とはいえないから、このような事情( 前記(1)③は、本件各文書が本件生徒(中根氏)の指導要録の写しではなく、被告(東京都)によって偽造された文書であるとの事実を推認させるものではない。
=> 不合理はある。本件文書2の様式は、H24電子化指導要録の様式を使用している事実。
H24電子化指導要録の様式は、H24新学習指導要領に対応したH24新様式である事実。
H24新様式は、H24新学習指導要領に基づいて学習した生徒の記録を記載する様式である。
一方、中根氏は、墨田特別支援学校中学部の平成23度卒業生である。
平成23年度卒業生である中根氏は、H24新学習指導要領では学習していない事実がある。
H24新学習指導要領で学習していない生徒の記録を、H24新様式に記載することは、格別不自然・不合理である( 擬制自白事実の成立 )。
□ KY231129坂本康博判決書 小池百合子訴訟<9p>10行目から
2(3) 以上によれば、原告が指摘する前記(1)①から③までの事情を前提としても、被告(東京都)が本件各文書を偽造したものと認めることはできない。
また、本件全証拠を精査しても、被告(東京都)が本件各文書を偽造したことをうかがわせる事情を見出すことはできない。
したがって、被告(東京都)が本件各文書を偽造したことは認められないから、争点(1)に関する原告の主張は理由がない。
□ KY231129坂本康博判決書 小池百合子訴訟<9p>16行目から
3 原告の証拠申出等について
原告は、被告が本件各文書を偽造したことを立証するために、
①前件訴訟(葛岡裕訴訟)の訴訟記録提示の申出、
②本件各文書(中根氏指導要録・写し)の原本並びに本件生徒の指導要録に適用される様式及び取扱いを定めた文書の原本を対象とする文書提出命令申立て、
③被告が本件各文書の原本と主張する文書が本件各文書と一致すること 及び前者の文書(=被告が本件各文書の原本と主張する文書 )が平成23年度以前に作成されたことを鑑定事項とする鑑定の申し出、
④本件学校(墨田特別支援学校)の中学部において本件生徒(中根氏)担任(遠藤隼指導主事)であった教諭等合計3名の申出をする。
しかし、前記2で説示したとおり、原告が指摘する各事情を前提としても、被告(東京都)が本件文書を偽造したものとは認められず、かつ、本件各証拠によっても、被告が本件各文書を偽造したことをうかがわせる事情は見出せないのであるから、上記①から④までの証拠に関する申立て 又は申出についてついては、いずれも必要性を認めることはできないから却下( 231129却下決定 )する。
=> (文書提出命令等)民訴法第二二三条第7項の規定に違反している事実。
<< 7項 文書提出命令の申立てについての決定に対しては、即時抗告をすることができる。 >>
原告は、KY乙11号証原本を対象とする文書提出命令申立てを、令和5年1月6日に行い、却下決定を知ったのは令和5年11月29日である。
Ⓢ KY 230106 文書提出命令申立書 要録原本 小池百合子訴訟
https://marius.hatenablog.com/entry/2023/01/05/121427
却下決定が、約11カ月遅れたことは、原告の立証計画が著しく狂いを発生させた。
文書提出命令申立てに対する判断は、弁論終結まえにしなければならない。
坂本康博判決書において、判断を明らかにした行為は、原告の即時抗告権を侵害する行為であり、「 訴訟手続きの違法 」である。
Ⓢ 文書提出命令の申立てを却下する決定に対し,口頭弁論終結後に即時抗告をすることはできません(最高裁平成13年4月26日決定)。
=> 令和23年6月23日の第3回口頭弁論において、高木俊明裁判官が、中根氏指導要録(原本)に対する検証を実施した。
Ⓢ KT 230524 証拠保全及び検証申立書 要録原本 小池百合子訴訟 高木俊明裁判官
https://marius.hatenablog.com/entry/2023/05/22/165008
証拠保全命令は却下( 書証目録等で知った。 )。
検証は実施されたことに対応して、(検証の際の鑑定)民訴法二三三条による申立てをした。
ことについて、判示がない。
Ⓢ KY 230627 鑑定申立書 小池百合子訴訟
https://plaza.rakuten.co.jp/marius/diary/202306250001/
<< 令和23年6月23日の第3回口頭弁論において、検証が行われたが、前件乙11号証=中根氏指導要録(写し)との照合が行われなかったため、鑑定する必要があるため。 >>
第4 結論
よって、その余の争点について検討するまでもなく、原告の請求は理由がないから、これを棄却することとし、主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第25部
裁判長裁判官 坂本康博
裁判官 高木俊明
裁判官 織田みのり
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教員紹介(法科大学院):關隆太郎 の経歴
https://www.j.u-tokyo.ac.jp/law/overview/lsfaculty2023/seki_ryutaro/
Ⓢ 坂本康博裁判官(53期)の経歴
https://yamanaka-bengoshi.jp/2022/04/16/sakamoto53/
骨の髄まで、法務省訟務局
・・
R2.4.1 ~ R4.3.31 東京法務局訟務部副部長
H29.4.1 ~ R2.3.31 法務省訟務局付
・・
H19.4.1 ~ H21.3.31 法務省民事訟務課付
H18.4.1 ~ H19.3.31 仙台法務局訟務部付
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=> KY 342丁 乙第11号証 中学部生徒指導要録(写し)を真正であると事実認定し、裁判の基礎に使用した裁判官たち。
Ⓢ 楽天版 丁番入り KY H270714受付け 被告書証 乙第11号証 指導要録 葛岡裕訴訟
https://plaza.rakuten.co.jp/marius/diary/202303270002/
1 東京地方裁判所平成26年(ワ)第24336号 国家賠償請求事件
#鈴木雅久裁判官 #川北功裁判官 #本多香織書記官 岡崎克彦裁判官
2 東京高等裁判所平成29年(ネ)第306号 国家賠償請求事件
#村田渉裁判官 #一木文智裁判官 #前澤達朗裁判官 #渋谷辰二書記官
3 上告提起 平成29年(オ)第1382号
#岡部喜代子最高裁判事 #山﨑敏充最高裁判事 #戸倉三郎最高裁判事 #林景一最高裁判事
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